絶滅したジュゴンの仲間 ステラー海牛
2015/04/04
ステラー海牛は、海牛と書いて「カイギュウ」と読みます。「ウミウシ」とはまったく違う生き物ですが、すでに絶滅したとされています。
このステラー海牛は、ジュゴンから枝分かれした種とされていて、ジュゴンがフロリダなどの温かい海域に生息しているのに対して、ステラー海牛は最後に発見されたのが、ベーリング海だったように北の寒い海域に生息していました。
寒さに耐えるため、体にたくさんの脂肪を蓄える必要があったのでしょう。その体長は7〜9メートルもあり、体重は8トンもあったといいますから、ジュゴンの平均的な体長3メートル、体重500kgと比べるとはるかに大きいことがわかります。
海牛は、この風体からはクジラの仲間、あるいはアザラシの仲間かなと思うかもしれませんが、象に近い生き物です。
象の祖先の「メリテリウム」から陸に残ったものが象になり、海へ行ったものが海牛へと進化したようです。
ちなみに、アザラシは「ネコ目-アザラシ科」の動物なので、猫に近いということになります。
ステラー海牛が発見されたきっかけは、デンマークの探検家「ベーリング」が率いる探検隊が、1741年にカムチャッカ半島沖の無人島で座礁したことに端を発しています。
指揮官のベーリングをはじめ、多くの隊員たちが飢えと寒さと病気のため死亡しましたが、残された隊員たちは翌年、島を脱出することができました。
彼らを飢えから救ったのは、この大きな体に脂肪を蓄えたステラー海牛の存在も大きかったようです。
ステラー海牛の肉は、子牛のようで味もよく、保存も効いたということです。
彼らが生還したことで、ステラー海牛の存在が知られてしまい、乱獲されて絶滅してしまいました。
しかし、20世紀に入ってから、このステラー海牛らしき生き物の発見が報告されているので、もしかしたら、まだ生き残りがいるかもしれません。
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