今でも存在するキルギスの誘拐婚
2015/04/04
キルギスという国の名を聞いたことはありますか?
キルギスは通称で、日本での正式な国名は「キルギス共和国」ですが、かつてはソビエト連邦に属していて、1991年に独立しました。
場所は中国とカザフスタンに挟まれた中東に近いアジアの国になります。
この国で奇妙な風習として、公然と行われているのが、花嫁を誘拐して無理やり結婚してしまう「誘拐婚」です。
18歳のキルギス人女性は、2012年の5月に町の写真展ですれ違った男と2ヶ月後に偶然、病院で再開し、少し会話を交わしたことがきっかけで、その2ヶ月後にこの男に誘拐されました。
じつは、この誘拐。1回目のときは未遂に終わりました。
危うく、捕まるところだったところをバスに乗り込んで逃げましたが、その後、のちに婿となる男の友人たちに車で追いかけられ、4時間後に捕まります。
そして、男の家に軟禁され、結婚するよう説得されるのですが、誘拐から6時間後、結婚することに同意します。
私達には理解し難い心の変化ですが、キルギスでは女性が男性の家に一度入ってしまうと、純潔が失われたとされて、その家から出ることは恥とされているようです。
また、そのような恥をさらすことが、親に迷惑をかけることにもなるので、帰るに帰れない現状があります。
こういった理由から、誘拐された女性の約8割が最終的に結婚を受け入れるということです。
このようなことが、違法ではないのかと、気になるところですが、さすがにキルギスでも誘拐婚は犯罪で、以前は3年の禁錮刑だったのが、今では10年とかなり厳しい罰が課せられています。
しかし、警察や裁判官は家族間のトラブルとみなす面もあり、誘拐婚そのものが慣習として受け入れらていることもあるため、事件化しない限り警察も動かないようです。
2012年6月には19歳の女子大生が、34歳の男に誘拐され、結婚式を済ませた後にレイプされました。2日後に親族によって助けだされ、実家に戻りましたが、この女子大生は自宅の家畜小屋で首をつって自殺しました。
このケースでは、犯人は誘拐とレイプなどの罪で禁固6年を言い渡されました。
誘拐婚は昔から伝わる伝統なのか?
では、このような酷い風習は昔から行われているのか知りたいところですが、どうやら、ここ数十年の間に定着した風習のようです。
キルギスはソ連に属する前は、遊牧生活が主流だったようです。
それが、ソビエト連邦の共和国になったことで、生活様式がガラッと変わり、定住生活になりました。
以前は、親が決めた結婚相手といっしょになるのが普通だったのが、社会のシステムが変わり、男女平等の意識が芽生え、自分の意志で結婚相手を選ぶという風調が強くなったことが、現在の誘拐婚へとつながっているようです。
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