でっち上げられたアメリカの超巨大バッタ

まずはこの写真を見ていただきましょう。

銃を片手に持つ男性の左手に見えるのは、バッタです。 それも、異様なほどの大きさです。

いかにも、あまりにも大きいので銃で撃ち殺しましたといった体で写真に写っていますが、いくら巨大なバッタといえども、銃で撃ったらこんなにきれいな状態で残っているはずはありません。

この写真は1937年にアメリカのウィスコンシン州の新聞に掲載された写真ですが、この新聞には「作り話」であることもしっかりと書かれていたにも関わらず、多くの人が本物だと勘違いしてしまったようです。

手のこんだことに、この新聞の記事には、農園の主が農園に撒いた特殊な植物を食べたバッタが、いつの間にか1メートル近くにまで大きく成長してしまい、果樹園内を飛び回ると、樹の枝が折れるので、ショットガンで駆除したと、事の顛末を細かく描写までしていたということですから、うっかり信じこんでしまった人も多かったのでしょう。

いかにもアメリカっぽい話です。

ちなみに、世界一大きなバッタは「ジャイアント・ウェタ」という種類で、その姿はバッタというよりも私たち日本人には「ベンジョコオロギ」とか「カマドウマ」といったほうがわかりやすいかもしれません。

このジャイアント・ウェタは大きなもので、体長25センチ位ですから、先の巨大バッタは、どれだけ大げさな話なのかがわかります。

戦前は、アメリカでも素直な人が多かったのかもしれませんね。