コーヒーは結腸がんのリスクを抑える?
2015/04/04
1日1杯から2杯のコーヒーを飲むことは、結腸がんのリスクを抑制する。
そんな研究結果が報告されました。
これは、イスラエルで約8,500人を対象とした研究で、8,500人のうち、5,000人が結腸直腸がんの患者で、残りの3,500人が、がんに罹っていない人という内訳になっています。
実験では、対象者に概ね1日に2杯以下のコーヒーを飲んだところ、まったくコーヒーを飲まない人に比べて、概ね30パーセント結腸がんのリスクが下がったということです。
コーヒーの飲む頻度が、1日に1杯以下の人と比べた場合、1日に1杯から2杯のコーヒーを飲む人は22%の結腸がんのリスクが下がったということです。
さらに、1日に2杯から2杯半のコーヒーを飲む人は、あまり飲まない人に比べて44%のリスクの低下、1日に2杯半以上飲む人は、59%も結腸がんのリスクが減ったという研究結果になっています。
結腸がんの抑制には、コーヒー以外の影響も考えられます。
たとえば、年齢や性別、野菜の摂取量、アスピリンの摂取の有無(ある研究では、アスピリンが結腸がんのリスクを下げるという報告がされている)などの影響も考慮しなくてはいけません。
しかし、これまでにも、コーヒーがもたらす、結腸がんのリスクの抑制効果についての研究はされてきましたが、今回のような(約8,500人という)大規模な研究はなかったので、このデータには説得力はあるといえるようです。
では、なぜコーヒーが結腸がんのリスクを下げるのかというと、今のところ、はっきりとわかっていないようです。
消化したものが、結腸を通り過ぎるスピードを早める働きがあるという説やコーヒーが腸内の微生物を合成する働きがあるという説、コーヒーと混ぜ合わさった物質にガンを予防する物質があるのではないか、などいくつかの仮説が考えられているようです。
研究者は、今後も他の地域や人種間で、遺伝上の影響に違いがあるかなどの調査が必要だと考えているようです。
コーヒーの消費量とガンのリスクとの関係は、結腸がん以外にも皮膚がんや乳がん、前立腺がんなども研究がされていますが、近い将来に明確な関連性が解明すると良いですね。
参考文献:Science News
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