昔の医療では大まじめに取り入れられていた瀉血療法
2015/04/04
21世紀をを迎えた現代でさえ、理解不能な民間療法がたくさんありますが、今から200年前には、医療の現場でおかしな治療が大まじめに行われていました。
古くからの東洋の思想では、血の流れが悪くなることを「瘀血(おけつ)」といっていますが、当時の西洋では、血液の増加が病の原因だとする考え方があったようです。
血が多すぎることが病気の原因なら、その血を出してしまおうとなるのは当然の流れで、実際にそのような治療が行われ、多くの人が命を失っていたようです。
たとえば、イングランド国王のチャールズ2世や初代アメリカ大統領のジョージ・ワシントンもこの治療の犠牲者だったとする記述も見られます。
そんな、多くの犠牲者を排出した治療法とはどんなものかというと、まず、片腕を包帯で縛って、血液型待って膨張してきた血管を切ってほとばしる血液をボウルで受けるという極めて原始的なやり方から、皮膚の上にヒルをおいて血を吸わせる方法もあったようです。
また、メスで皮膚に傷をつけて、その上に熱したガラス瓶を置き、中の空気が冷えることで、密閉されたガラス瓶の中が真空状態になり、傷口から血を吸い出すという方法もありました。
これは、現在でも「吸玉療法」として民間療法で行われています。
断っておきますが、血液を体外へ出す「瀉血(しゃけつ)」が、全てデタラメということではなく、現在の医療においても一部の病気(たとえば、多血症やC型肝炎など)については、医学的な根拠に基づいたちゃんとした治療法であります。
しかし、200年前には頭痛、発熱、痛風、高血圧などあらゆる病気に「瀉血療法」で対応したため、多くの人が犠牲となったようです。
伝えられるところによると、多い時には1回の治療で3リットルもの血液を瀉血によって抜き取られた例もあるようです。
ちなみに、体重60キロの成人の血液の量は全部で約4リットルなので、これだけの血液を抜かれたら死んでしまって当然ですね。
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